石川県の伝統的民家
石川県には多くの伝統的な民家が残されています。金沢市や小松市、七尾市などの旧城下町には商人が住んだ町屋住宅と武家住宅が、 その他の農山村漁村には農家住宅などが、かつての面影を色濃くとどめています。石川県は伝統的な民家の種類や残存率から、 民家の宝庫ともいわれています。
農家住宅
白峰村の小倉家(国指定重要文化財)
江戸時代中期につくられたもので、土壁作り栗小羽板葺き、登り梁を用いた素朴なものです。耐雪のための様々な工夫など、 厳しい風土に生きた昔の人々の知恵を随所に見ることができ、また、当時の家庭生活をそのまま再現してあります。
所在地/白山市白峰リ30 石川県白山ろく民族資料館内
Tel、Fax/07619-8-2665
中島町の座主家(国指定重要文化財)
江戸時代中期につくられた中能登地方では最も古い形式の住宅です。 合掌組で芽葺き入母屋の造りの建物に使われている木材全てにかんなの使用が認められず、 手斧はつりの単純素朴な構造となっています。
所在地/七尾市中島町藤瀬4-17
Tel/0767-66-1111
Fax/0767-66-1970 (連絡先/七尾市役所中島支所)
町屋住宅
金沢市の旧中屋薬舗 (現金沢市老舗記念館)
明治時代に天皇行幸の際の御在所としてつくられた中屋薬舗は、昭和62年に現在地に移転再築されました。 間口10間の店構えは金沢の商家の重厚な伝統と歴史を今に伝えています。
所在地/金沢市長町2丁目2-45 金沢老舗記念館
Tel/0762-20-2524
野々市町の喜多家 (国指定重要文化財)
江戸時代後期のものを明治年間に現在地に移築されたもので、間仕切りのないオエと通り庭は上部が吹き抜けとなり、 挽きたて材からなる梁と束を連絡する多くの貫によって小屋組を形成し、広々とした空間を持っています。 外観は縦格子や霧よけ、2階の袖壁など加賀町屋の様式を良く残しています。
所在地/石川郡野々市町本町3-8-11
Tel/0762-48-1131
町屋住宅
金沢市の旧平尾家 (金沢市指定文化財)
旧平尾家は江戸時代後期につくられ、平成になって現在地へ移築保存されています。 妻入りの主屋の妻壁は白壁に束と梁とで構成され、加賀藩下級武士の居宅として端正な表情を見せています。
所在地/金沢市湯涌町ヘ19 百萬石文化園・江戸村
Tel/0762-35-1721
金沢市の新家家長屋門 (金沢市指定保存建造物)
江戸時代後期につくられた新家家の長屋門は、梁間2間、桁行き12間の堂々としたもので、 2間半の門や出窓形式の武者窓などを備えています。金沢市の山間部で産出される戸室石で基礎などを構成するほか、 独特の金物など加賀藩中級武士の居宅の風格を忍ばせています。
所在地/金沢市長町1-1-4